もりのくまの”M's Grab Bag”が「くまの雑記帳」で再出発。観劇記録、コンサートの記録、おいしいもの記録が中心の雑記帳です。


by a_bear_in_woods
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井上芳雄10周年記念コンサート9月14日(FC貸切公演)@青山劇場

もう、1週間以上過ぎてしまいましたが『井上芳雄10周年記念コンサート』のFC貸切の1回目の回に出かけてきました。(実は、翌日の公演も鑑賞しましたがそれはそれでまた別エントリーで後日(汗))。

書き込みが遅くなったのは、東京楽を待っていたわけではなく、単なる不精からです。
でも、いい加減書かないと、ね。

ということで、ネタばれももちろんします。
もしも、これからの大阪、福岡までサプライズは残しておきたい、って方は、この先は後日またお越しください。

って、そう言う人はネット検索しないよね。っていうか、いないで置くのがよろしいでしょう。

さぁ、では本題です。

まずはこの公演はそのものはFC貸し切りだったので、普通の公演とはちょっと違います。
きっと、今回もなにかお土産があるよね、と楽しみにしていますと、入口でチラシと一緒に手渡されたのがA4サイズの芳雄くんからのメッセージ入りの台紙に差し込まれたポストカード。
豪華写真集!と言われているプログラムの写真と一緒に撮影したもののようで、シリアスな表情をしています。
個人的には、役を離れた表情としては笑顔の方がうれしいのですが……
なので、豪華写真集の部分もそう言う意味では残念。

開演前には今回も以前のファンクラブイベントでお知り合いになった方々との再会も果たせて、気分はとってもHappy!

この日と翌日はDVDの撮影が入っているため、前方にはカメラクルーが並んでいます。舞台のましたあたりでカメラの調整やら何やらの最中のようです。
そして、舞台はすでに緞帳が上がっています。
撮影のせいなのかな?マイクチェックなんかもしてます。そして、今回の共演者らしいダンサー二人もステップやら段取りやらピルエットの確認やらしています。
なんだかんだ、開演直前まで舞台上がわさわさとした感じです。

この日のお席はサイドブロック。実は、スピーカーなどでちょっと舞台の一部が見えにくい場所でした。本当の壁際の席はお客様が座っていなかったので、見切り席は売らなかった見たいですね。沿い言う意味では、限界の場所に近かったので……このあたり、翌日、センターから見て、色々と「あぁ~」って思うこともありました。

ともかく、開演時間です。オーケストラのメンバー、そして島健さんが舞台に上がります。
さて、ここはFC貸切の特別な空気でしょう。島健さんの登場を拍手でお迎えです。
芳雄くんと島健さんの共演も前回のコンサート、ライブなどなどと続いてきていて、FCの人たちにとってはとてもなじみのある演奏者になりましたから。

そして、いよいよ井上芳雄登場!となるわけですが、二部構成の今回のコンサートでは第1部は『ミュージカルショー ― 光と影 ―』。これは芳雄くんのこの10年に出演した舞台の曲を使って、芳雄くんが“ミュージカル俳優、井上芳雄”を演じる仕掛けになっていました。
なので、登場はちょっと不思議にある意味地味な登場。
まずは楽屋裏の様子から始まったのです。
化粧前に座り、開演の準備やファンレターを読んだり、ネットをチェックしたりと、きっと本当の楽屋でもこんななのかな?と想像させる演技からスタートしました。
どうやら『幸せの王子』の舞台で主役の王子として出演している時の舞台裏という設定のようです。

あとで第2部のトークで種明かしをしているのですが『幸せの王子』という作品のチョイスは芳雄くん自身。でも、楽屋でのいろんな行動やセリフは演出の小池先生の書いた通りとのことで、芳雄君にも小池先生にも色々とそのあたりは弁解したいことがあるようでした(笑)。

要は、舞台上でも言ってるんだけど「銅像が主役の舞台なんてできないよ」ってのが小池先生の意見。「僕はファンレターは大事にしてますよ」ってのが芳雄くんの言い分のようでした。

ともかく、化粧前で3枚目のCDのタイトルにもなったWelcome to the Theaterの出だしを、ちょっと歌詞を替えて歌い、舞台に動きが出てきます。

舞台上になんと芳雄くんのそっくりさんダンサーズが登場!
芳雄くんのマスクを被ったダンサーたちが無言で踊りながら、芳雄くんを時に追い立て、時に操るように、時に手助けをして(笑)、この後の続いて行きます。
まずは、ウエディングシンガーから2曲。Casualty of Loveでの普段の王子キャラとは違うはじけた感じに3月の公演が楽しみに、そしてGrow Old with You。これはいいな。自分の大切な人と、こんな風に穏やかに年をとって行きたい、って気分になります。ギターの練習、今から続ければ3月は余裕かな、芳雄くんも(とはいえ、間にモーツァルト!だからね)。

舞台の様子が変わって、戦場の背景に。そして現代の(←ここ大事)軍服に身を包んだ芳雄くんが登場し、ミスサイゴンそしてシェルブールへ。どちらも戦争に関わるところでうまくつなげてきてます。流れのせいとか色々あるのでしょうけど、シェルブールからのI will wait for youは舞台で聞くより今回の方が好きでした。その前のWhy God, Why?でかなり気持ちが揺さぶられているからかもしれません。

そしてまた衣装が変わると今度はミー&マイガール。まさかミー&マイガールをソロで歌うとは思って無かったのでちょっとびっくり。風船のサリーちゃんが可愛かったです。

再び着替えると今度は水色の19世紀の(←はい、これも大事)軍服です。ええ、もう出てくるだけど判ります(笑)。ルドルフですね!
ってことで「明日への階段」。今回は録音音声も含めてコーラスを使わなかったので、コーラスが効果的に入るはずの個所はちょっと変わったアレンジになってました。
でも、やっぱりこの曲、いいなぁ。ワイルドホーンの曲と芳雄くんの声とは相性が抜群だと思います。

そしてこの次がやっぱり何と言って第一部の山場だし注目しどころ!!
噂に聞いてから言ったけど、やっぱりこれは聞くと見るとは大違いの

セルフデュエットの「闇が広がる」でした。

ルドルフ繋がりで、非常にうまく運んだなぁ、と、もちろん予想できる展開だけど、でもやっぱり本当につなげて見せられると、うなっちゃいますね。
しかも、何とスクリーンには念願(!?)のトートになった芳雄くんですから!!

「闇が広がる」のセルフデュエット自体はCDですでに聞かせてくれていますが、今回は何と言ってもビジュアルつきです!これはすごい、いろんな意味ですごい。
まぁ、すごすぎて日によっては何故か(いや必然とも言うか)笑いが生じたと、芳雄くんは言ってましたが……うん、笑う気持ちも少し判るけど、私は固唾をのんだ方でした。

せっかく舞台上で、今、生の芳雄くんがルドルフを演じて歌ってくれていると言うのに、ついつい目が後ろのスクリーンに吸い寄せられる(爆)。いや、ホントに、どうしても目がそっちに行きました。
あちこちで宝塚っぽいと言われているようですが、妖しく見せようとがんぱってるお手本がいつも通り(?)ヅカの方角を向いていたのは確かのようです。しかも、今の本家のトートさま方に比べると、どうしても体格的にも線が細いし、タイプ的にも中性的なので、確かにどうしてもそっち方向にいくよなぁ~と。
加えて、歌声自体も発声がちょっと男役ぽかったような。
CDでのセルフデュエットではあえてトートとルドルフで声を替えずに井上芳雄が両方歌ってるというスタンスなのに対して、今回はあくまでも「トート」と「ルドルフ」なので、あえて声を作って低い所でトートを歌ってるのが、なんかヅカっぽかったです。

さて、ヅカっぽかろうと、ともかくトートへの可能性を見せてくれたのはすごくうれしかったし、目はそっちに釘づけだったんだけど、私自身が彼のルドルフを見て聞いたのは2005年。その頃と今では声の感じが随分大人に変わって、よく言えばしっかりしてきてるけど、高音での硬質なキーンと来る若さを感じる音ってどうなの?って思ってたんですが、これまた健在。
「がまんできな~い」と行くところで、彼独特の響きがあったんだけど、それがそのままだったのがすごくうれしかった。
これは本当に鳥肌がたって、涙がにじんちゃいました。
でもって、翌日もこれが聞けるんだ!と幸せをかみしめました。

第1部の締めは「僕こそミュージック」。再び舞台は楽屋裏になっていたので芳雄くんは下半身は白い王子装束なのに、上はジャージパーカーという微妙な格好でしたが。
そして、最後の最後はしあわせの王子に変身して、舞台の奥のもう一つの舞台へ!でここで緞帳が下りて第1部終了でした。

第2部は島健さんと芳雄くんが選んだ曲で構成された普通(?)のコンサート。
ミュージカル、ポップス、シャンソン、といろんなジャンルの曲が入ってました。
全く初めて聞くものもあれば、芳雄くんで初めての物、そして、芳雄くんが前も歌ってたもの、とそういう意味でも様々。
好きな曲が多くて、こちらもほぼ満足。

たとえば知らなかった曲や普段はそれほど好きじゃないタイプの曲でも、芳雄くんが歌うことでいいところを発見できる曲にもこれまでいくつか出会ってきました。
たとえばシャンソンは普段は全く聞かないけど、芳雄くんが歌うシャンソンはそれなりに楽しめます。
それと、私にとっての芳雄くんの魅力は、説得力のとてもある歌声です。たとえば荒唐無稽なキャンディードのような話であっても、そんな登場人物!って思ってしまうところでも芳雄くんが歌ってると何故かその景色や物語を感じ、納得してしまうことがしばしばあります。(『ナイチンゲールの沈黙』の小夜ちゃんの共感覚とはさすがに言いませんけどね。)

そんな芳雄くんの歌声なんだけど、やっぱり駄目だったのがI Love You……
名曲だって言われてたり、好きな人が多かったり、CMでも良く聞いたり、なのですが、個人的にこの曲はやっぱり駄目だった。
もともと詞の世界が好きじゃないから、芳雄くんの説得力を持ってしてもNGだったのか、説得力が発揮されてなかったのかは個人的な感覚なんだろうけど、う~ん、この曲はやっぱり好きになれなかったなぁ。まぁ、そう言うこともあるな。

日替わりのゲストはこの日はクミコさん。
二人で会った時にしか歌えないという「車輪」を歌ってくれました。
この曲も切ないけど、いいですね。

アンコールで歌ったErick Clapton のTears in heavenはやっぱり説得力にやられちゃいました。

I must be strong, and carry on
Cause I know I don't belong
Here in heaven

この部分がね、すごく響いてきて、私にはそんな天国で待ってる人はいないけど、でも生きている限りは生きている人間はI must be strong, and carry on だよね、って気分になりました。

FC貸切公演のスペシャルアンコールはクミコさんも登場して「私は青空」。
実はこの曲の元々のアレンジャーは島健さんだったというお話もあって、一つの曲で繋がった3人でのセッションでした。

今回は、終演時間と会場の退館時間の間が短めで、さすがに「退館」時間ではトークを伸ばしまくりの芳雄くんでもオーバーすることは許されずで、これまでの貸切の時のトークと比べるとあっさり目でした。
貸切が2回あるせいか、ファンクラブブログ用の客席撮影もなかったし。もう1回の時にはしたのかな?
あ、カメラが入ってたのも一因?

ともかく、ボリュームも内容も全てがとても大満足のコンサートでした。

今回の公演では10周年ということや、お世話になった大切な方とのお別れが最近有ったことから、感謝すること、思いをはせることがベースに感じられるコンサートでした。
で、彼が好きだと言う『幸福の王子』の話。きっと、彼はそういう風に生きたいのだろうな、って感じが伝わりました。
でもって、今、彼はそうしていると思います。彼の歌を私たち聴衆に分けてくれて、私たちはそれをえて幸せを感じている。そして、幸せを感じる聴衆を見て「王子」はそれを幸せに感じている、そんな関係。
ありがたいことに、芳雄くんは銅像ではなく、生きているのでメッキや宝石の輝きが全てがはがれおちて醜くなる代わりに、どんどん新しい輝く物を身につけて、そして惜しげなく分け与え続けていること。
この生きている「幸福の王子」はいつまでも輝けるってことだなぁ~、としみじみ感じたのでした。
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by a_bear_in_woods | 2010-09-23 12:41 | Theatergoing